デジタル製版マテリアル
『Graphy藤井秀樹 : 第一製版DigitalMaterial』は写真家藤井秀樹先生(2010年5月永眠)と第一製版が共同で製作したフォトブックです。(2000年4月1日発刊)
東京国立近代美術館に所蔵されています。(2005年7月入庫)詳細
Digital Material 発刊によせて
グラフィックス分野にコンピュータが進出してからというもの、
新聞や雑誌などの広告製版という仕事は、実に大きな変革にさらされてきました。
"データ入稿"という言葉は、もはや特別ではなく、ごく日常的に使われています。
とはいえ、アナログ製版技術が全くなくなったわけではなく、
今は、デジタル製版にアナログの技術や感性を取り入れている大切な過渡期。
そのような時だからこそ、もうー度、製版の基本に立ち返る必要があると考えます。
写真家の藤井秀樹先生との出会いにより制作された、この『Graphy』では、
流行を越えた、普遍性のある内容にすることができました。
各線数による刷り上がりの質感の違いや、各種スクリーンを使った場合の表現の変化を
モノクロとカラーの両方と、紙質による印刷特性の違いをそれぞれお見せしています。
また、「実験室」と称して、コンピュータを使う場合に活用できる
様々な情報をご提供しています。『Graphy』が、皆様のお役に立てば幸いです。
株式会社 第一製版
代表取締役 竹ノ上蔵造
写真というものは、撮った後、色々な一生を送ることになります。
焼具合ひとつで全く違う作品になりますし、ましてや、
製版というフィルターを経るなら、無限ともいえる可能性を得るわけです。
そのとき、印刷物の質を決めるのは、写しとった素材。
それは、デジタル主流の、この時代であっても変わらない。
『Graphy』の制作は、そのことをつくづくと感じさせてくれた機会でした。
写真家 藤井秀樹 | ![]() |
1934年 | 東京都出身 |
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1952年 | サン写真新聞最優秀報道写真賞受賞。 これが縁で写真家・秋山庄太郎氏に師事。 |
1954年 | 日本大学芸術学部写真学科入学 |
1960年 | 日本デザインセンターに入社。 |
1965年 | フリーとなり、スタジオ・エフ設立。 マックスファクター国内キャンペーン担当。 朝日新聞広告賞受賞。 |
1976年 | 「ヘルムート・ニュートンとの二人展」。 |
1978年 | 写真展「藤井秀樹…人と作品」。 『藤井秀樹…人と作品』出版。 |
1981年 | 写真展「からだ化粧」(小林照子氏と共同制作)。 |
1985年 | 写真展「 L'image de Pastel 彩」。 日本写真協会年度賞受賞 第64回ニューヨーク・アートディレクターズクラブ写真部門銀賞受賞。 |
1990年 | 写真展「四海雲游…千年和紙によるFグラフィ」。 |
1996年 | ベルギー・セントルーカスカレッジに特別講師として招請される。 写真展「一花一葉」。 他多数 |
2000年 | 日本写真家協会、日本写真芸術学会会員。 (社)日本広告写真家協会理事。 日本写真芸術学校副校長。 |
2002年 | 日本広告写真家協会会長 |
2008年 | 日本写真芸術専門学校校長 |
2010年 | 死去 |